06-6225-8035

遺産の預貯金の払い出し可能に その2

2019.6.24

民事信託・家族信託のたくすネットの司法書士の福村です。

来月7月1日から遺産の預貯金の払い戻しが可能となるお話をしました。

その際、亡くなった口座名義人の葬儀代のために預貯金を引き出すのは難しいのではないか?

そういった指摘をさせていただきました。

全国銀行協会のHPを参考にすると、
①遺言書がある場合、
②遺言書がない場合
(さらにその中で遺産分割協議書がある場合、遺産分割協議書がない場合)、
③家庭裁判所による調停調書・審判書がある場合
によって手続が分かれています。

この運用の中身を見てみると、亡くなった方の戸籍謄本(出生から死亡までの戸籍)が必要という記載を見ることが出来ます。
戸籍謄本は、本籍地の役所で取得します。
死亡地や住所地と必ずしも同一ではありません。

亡くなった後は諸々の手続に追われ、戸籍謄本の取得に割く時間的余裕はないケースのほうが多いのではないでしょうか?!
死亡地や住所地が本籍地と同じ自治体である場合はまだしも、別々の自治体である場合は、葬儀代の支払までに戸籍謄本を集めることは難しいのではないでしょうか?
印鑑証明書の提出も必要とされるようですが、相続人が印鑑登録をしている自治体がバラバラであることも少なくありません。
コンビニエンスストアで印鑑証明書を取得できる自治体もありますが、全ての自治体で導入されているわけではありません。
こうしてみると、遺産である預貯金を払い戻すことができる制度が始まっても、葬儀代や当面の生活費に充てるためであっても実際に払い戻すまでには多くの時間がかかるように思います。

取引先の都市銀行にマニュアルを確認しましたが、まだ手元に配布されていないようでした。

新しい制度が始まる7月1日以降に運用を確認し、またこちらでご案内いたします。

民事信託・家族信託のたくすネットは、相続に関するご相談もお受けしております。
お気軽にお問い合わせください。

コラム一覧へ